こんにちは、藤原です。
寒さが本格的になってきましたね、皆様はいかがお過ごしでしょうか。寒さをうなずけるように街はクリスマスムード一色。ご家族で過ごされる方や大切なパートナーとお過ごしになる方、野郎で居酒屋、十人十色の年末に向けて体調を万全に過ごしてまいりましょう。
さて本日の表題は「藤原がご提案する良い生地の選び方」と称しましてスーツやジャケット、トラウザーズお仕立てが初めてのお客様や普段ご案内させていただいている顧客のお客様に対して「何を基準に選んだらいいか分からない」「藤原の意見を聞きたい」「高い生地は嫌だな」など抽象的なご不安に対してあくまで私目線ですが貴方の一助になれますと幸いでございます。
まず今季AWスーツ生地でオススメを聞かれた際に一番最初にお持ちするのはコチラの生地です。
ブランド:William Halstead -CHURCHILL-
生産国:England
目付:390g/m

鉄板のMグレーグレンチェックとブルーグレーグレンチェックです。しっかりとした発色の良さ、柄の大きさ、重量はどれをとっても普遍的なクラシカルムードで梳毛ウールの中では断トツで出来が良いと思います。このクラシカルムードをクラシカルなままに仕立てるのも一興ですが、この生地を現代的なサイズ感に落とし込んでこそ心躍るものになるのではないかと思います。

スーツひいてはスリーピースでも抜群の仕立て映えとなるこの生地ですが「ヘリンボーンも捨てがたい」ツイードコート、オイルドジャケットの下から覗かせるトラウザーズがこの生地でしたらたまりません。
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ブランド:KUNISHIMA -CLASSICO-
生産国:JAPAN
目付:300g/m

いわゆる全てにおいてバランスのとれたスーツ地という印象です。愛知県一宮にあるこちらのブランド「KUNISHIMA」の梳毛ツイルで300g/mはいわゆるオールシーズンで活躍する生地になります。ツイル特有の光沢感がそこまでなく、仕上がりは他のツイルと比較するとややマットな仕上がりが予想されます。ゆえにトラウザーズ単品でもスーツの片割れ感が出にくくお仕立てしやすいのが特徴的です。インポート品ではない為プライスも良心的なのがまた良い点だと思います。吉田スーツのエントリースーツとして是非お選びいただけると幸いです。
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ブランド:brisbane moss -Moleskin-
生産国:ENGLAND
目付:600g/m

スーツではない「何か」をお探しのお客様にご提案している少し角度を変えたご提案です。ブリスベンモスというとコーデュロイが名品ですが今季はモールスキンが良いと思います。写真では隠れてしまっていますがいわゆる「ブラックモールスキン」1920s以降「フレンチワークジャケット」を押し上げた名品に近い仕上がりだと思います。これをご自身でウォッシュを掛けてクタクタに履いて、、、、、言葉要らずかと思います。

ややアメリカンの香りを入れるのであればこのホコリ臭いカラーも捨てがたい。ユーロ特有のカラーから少しはみ出たようなカラーは無骨な印象を与えてくれることでしょう。
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ブランド:THE KUNISHIMA1850 -Distance8-
生産国:JAPAN
目付:360g/m

こちらは個人的にはもう少し評価されても良い生地だと思います。先ほどご紹介した「KUNISHIMA」の上位モデルの位置づけとなる「The KUNISHIMA 1850」より「Distance8:8メートルの距離からも貴方の個性を鮮やかに表現します」ラインのご紹介です。原毛の細さに加えてペーパープレスを加えて光沢感を出す、ここまでは他のブランドでもありますが問題なのはこの生地を360g/mというハリのある生地で織られているところです。本来原毛を細く滑らかにすると生地量は多く使いづらいのが世の常といっても過言ではないのですが、惜しげもなく大量に投入する。普遍的ないでたちの生地ですが、玄人がうなる良い生地だと思います。諸説ありますがスーツの源流にさかぼると目にするのが「大きいサイズのスーツは贅沢の証」というお話。それは生地が高級と認知されており良い生地こそ美しくドレープする為、その様な認識があったようです。そういう意味ではこの生地は「良い糸を沢山使用しているスーツ生地」で仕立てるスーツという事になりそうです。
いかがでしたでしょうか。
少し偏愛がありましたがお仕立て当日は是非お客様がお思いになっている目指すスーツを店頭スタッフに聞いてみて下さい。きっとお役に立てるはずです。
吉田スーツ 藤原
