今回はシューケアのお話です。
ケアするのはキルトローファー。
旧工場製の古いローファーなのでもうボロボロ…
でもこんなボロボロでもデザインやシルエットが堪らなく好きなので、ずっと履きたいと思っています。
つま先の部分も革が削れていたりアッパーのひび割れまで……
履き口もご覧の通り擦れて色が抜けてしまってます。
革の削れやひび割れに関してはどうしようもないので出来るだけ目立たない様に仕上げていければと思っています。
今回使うのはホコリ除去のブラシ(写真では化繊ブラシですが、馬毛ブラシの方がお勧めです。)、クリームを塗るペネトレイトブラシ(使うクリーム分用意)、クリームをなじませる豚毛ブラシ、汚れ落としのためのステインリムーバー、リッチデリケートクリーム、クリームナチュラーレ(旧パッケージ)、ビーズリッチクリーム(今回はミディアムブラウンとネイビーを使用)、レザーコンシーラーを使っていきます。
まず始めに汚れを落として行きます。
馬毛のブラシで靴の表面についたホコリや汚れをブラッシングで取っていきます。
大きな汚れをブラッシングで取り除いた後は、ステインリムーバーで古いクリームを除去していきます。
ステインリムーバーを古いシャツなどコットンの端切れにとり指でなじませます。
優しく円を描く様に靴の表面の汚れを落としていきます。
力強く擦ってしまうと革の表面が傷ついてしまうので、優しく撫でる様にしてください。
リムーバーで汚れを落とした後は保湿、保革です。
通常のケアでしたら汚れ落としをしてから栄養クリームを塗っていいのですが、今回は久方ぶりのケアでしたので、保湿もしっかりしていきます。
保湿で使うのがデリケートクリーム。
デリケートクリームでも栄養は入るのですが、仕上がりとしてはどちらかと言うと保湿がメインな感じがします。ロウ成分や油分が少ないのでバッグや財布など靴以外の革製品にも幅広く使えるので、持って置くと便利だと思います。
私が使うのはリッチデリケートクリーム。デリケートクリーム自体を使い始めたのが数年前からとデリケートクリーム歴が浅いので、他のデリケートクリームを使った事がなく、他のものとの違いはわかりません、、、が使用感はとてもいいですよ。
保湿ができたら保革。
保革するならクリームナチュラーレが個人的には好みです。
後ほど使う「ビーズリッチクリーム」や、人気の「サフィールノワール クレム」などは個人的にはロウ成分が多くて保革すると言う意味合いでは好みではありません。
クリームナチュラーレを使った後はもちもち感がわかるくらいいい状態になります。
保革のあとは補色。
ここで前述のビーズリッチクリームやサフィールノワール クレムの登場です。
こまめにケアをしている方なら汚れ落としの後の保湿、保革はしなくても大丈夫です。
こちらのクリームだけでもしっかり栄養が入りますので。
だいぶケアを怠っちゃったなぁという方は是非デリケートクリームとクリームナチュラーレを使ってみて下さい。
ビーズリッチクリームやノワールクレムは油分、ロウ成分が多いので補色と同時に艶もしっかり出ます。
特にノワールクレムに関しては慣れれば鏡面仕上げができると思います。(ワックスを使った方が光りますが。。。)
今回2色使用したのはブラウンの方は全体の補色と艶出しを、ネイビーの方はつま先を中心にアンティーク加工をするために使用してます。
アンティーク加工に関しては一度で理想の色にすると言うよりも徐々に理想の濃さに仕上げるつもりで磨いた方が上手くいくと思います。
クリームに関してはペネトレイトブラシで少量取って全体に広げる→豚毛ブラシで余分なクリームを除去していきます。
最終的な仕上がりは
Before After
Before After
Before After
全体的に色が濃くなってまぁまぁ傷が目立ちにくく仕上げられたかと思ってます。
履き口に関してはクリームで補色してしまうとソックスに色移りする可能性が高いので、レザーコンシーラーにて処理をしています。
工程が多くて面倒に思われますが、日々の手入れなんてブラッシング→栄養クリームで十分です。
慣れれば5分で終わります。是非お持ちの靴を大事に履いて下さい。