今回はVitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)という生地ブランドの魅力と歩みについてご紹介いたします。
カノニコは現在のファッション界で、バーバリー、アルマーニ、ラルフローレンなど世界中の一流ファッションブランドや有名テーラーがこぞって扱う生地を生産している世界最古の織物業者とされています。
世界3大織物産地と呼ばれるイタリア北部にある「ビエラ」を代表するブランドであり、1663年以前に創業してから3世紀半にわたり最高峰の織物を生み出しています。
そんなカノニコですが19世紀の中盤、産業革命の大きなうねりの中で、当時の社長ジュゼッペ・バルベリス・カノニコは先んじて機械を導入しました。織物製造のオートメーション化を図り生産量を拡大します。
自動織機の使用によって原毛の紡績に始まり、染色加工や織布、縮絨加工や整理、そして仕上げまでのすべての工程を一貫して手掛けるようになりました。
さらに19世紀の末期から20世紀の初めにかけて計画的に電力を導入し、着々と生産を飛躍的に拡大する体制を整えます。また、当時では最高級とされていたドイツ製の織機を導入し、生地製品のクオリティ向上にこだわりました。
長い歴史に裏付けされた確かな技術、紡績から仕上げまで一貫して行う革新的な製造体制、新しく優れたものを取り入れる先見の明がカノニコを世界のテキスタイル業界を牽引するリーディング企業として成長させました。
(左:ソラーロ生地、右:フランネル生地)
そんなカノニコの生地は、オーストラリアの提携牧場にて上質な羊毛を確保するところから始まります。ここから仕上げまでの全工程を自社工場で一貫して行っているためクオリティはもちろん、コストパフォーマンスの良さも魅力です。
素材感はイタリアらしく、軽く滑らかで、しなやかな質感を持ち、美しい光沢感と発色の良さが有ります。特に色味で定評のあるネイビー系やグリーン系、ベージュ系の色の深さは他社と一線を画すグレードです。
(左:カヴァード生地、右:ピンストライプ柄の生地)
いかがでしたでしょうか。
カノニコの生地たくさん取り扱っておりますので、ぜひ店頭でご覧になってください。