スーツ生地の中には、ごくわずかにポリウレタンが混ぜられているものがあります。たとえばウール99%、ポリウレタン1%といった具合です。

数字だけを見ると「たった1%で何が変わるの?」と思われるかもしれませんが、この“1%”がスーツの着心地に大きく関わってきます。
ポリウレタンの特徴は「伸びること」と「元に戻ること」にあります。
この特性を1%でも加えることで、スーツ生地にほどよいストレッチ性が生まれます。
例えば、
• 腕を前に伸ばしたとき
• 椅子に深く腰かけたとき
• 一日中立ったり歩いたりしたとき
そんな日常の動きの中で、ほんの少しの伸縮があることでストレスが軽減され、快適に過ごせます。
伸縮性が高すぎると、スーツらしい立体的なフォルムが崩れてしまうこともあります。しかし、ポリウレタンが1%程度であればその心配はありません。
スーツとしての美しいシルエットを保ちながら、日常の動きにさりげなく寄り添ってくれます。それが1%の妙です。