こんにちは、藤原です。
寒さが本格的な日が増えてきましたね。自ずとダウンやホットココアなど暖かい物に目が行きやすくなります。一方でオーダーの世界で言うと2-3月下旬にかけて春夏の準備が始まります。普段お仕立ての方もこれからの方も気持ちは暖かく、進めていきましょう。
さて本日の表題は「ファッション偉人伝#10」と称しまして連載企画でお届けしているコチラですが本日は昨今の「ラグジュアリー・ストリート」という言葉を浸透させた最重要人物といっても過言ではない「ヴァージル・アブロー」についてお伝えいたします。
ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh 1980-2011)
1980年にアメリカ合衆国イリノイ州ロックフォードで生まれたファッションデザイナーであり、建築家、DJ、および芸術家としても知られています。彼は現代のストリートウェアやハイファッションを融合させた独自のスタイルで国際的に注目を集めました。
彼のキャリアは建築から始まり、2009年には友人であるカニエ・ウェストと共同でアートコレクティブ「DONDA」を設立しました。DONDAは、音楽やデザイン、ファッション、映画など、さまざまな領域でプロジェクトに取り組むクリエイティブな集団として知られていきます。同年2009年にフェンディでカニエ・ウェストと同じクラスでインターンを務めました。その際フェンディの仕事を通じて、フェンディのCEOでルイ・ヴィトンのCEOでもあるマイケル・バークの目に留まります。この時が後のLVMH初の黒人として初めてのデザイナー誕生のきっかけになったとされています。
ファッションキャリアは2012年にストリートウェアブランド「Pyrex Vision」を立ち上げたことから本格的に始まりました。その後、2013年には、彼の個人ブランド「Off-White(オフホワイト)」でメンズおよびウィメンズのコレクションを発表し、その斬新で洗練されたデザインが国際的に称賛されました。その作品の数々に対して彼は後に「ただ線を描くだけで優れたデザインになる」と言いファッションひいてはアート、建築の審美眼を用いて昇華しました。その後彼はストリートファッションにおける象徴的な存在となり、その影響力は若い世代のファッショニスタやアーティストにも及んでいます。
2018年にはルイ・ヴィトンのメンズアートディレクターとして指名され、そのユーモアかつ計算されたサイズ感のアイテムによるストリートウェアの要素を高級ブランドに取り入れ、モダンで遊び心のあるデザインで注目を浴びました。
アブローはファッションデザインのみならず、音楽や美術の分野でも幅広く活躍しており、独自の視点と創造力で異なる領域をつなげる手法が彼の成功の一因となっています。
ですが、彼の早すぎる死(2021年11月28日)はファッション界において大きな喪失となりましたが、その遺産は彼の影響を受けた多くのクリエイターや愛好者によって永遠に語り継がれています。
いかがでしたでしょうか。
Louis Vuittonのハイエンドの印象を一蹴し、力強くダイナミックにデザインされたストリートウエアの数々は当時かなりのセンセーショナルだったのを記憶しています。惜しくも早すぎる死を迎えたヴァージルですが、そのDNAは確実に次の時代へ受け継がれている事でしょう。